根拠なき正規変更の禁止
根拠なき正規変更の禁止(No Canonical Change Without Warrant) とは、後続の作業が依拠する正規状態を変えるには、進行根拠 が必要である、という原則です。
ここでいう正規変更には、コードの統合だけでなく、判断記憶、採用済み仕様、事故の終結、巻き戻し判断、調査結果の採用、方針更新、技能知識の昇格も含まれます。
なぜこの原則が中心なのか
Section titled “なぜこの原則が中心なのか”正規状態とは、後続アクターが再検証なしに依拠してよい状態のことです。つまり正規変更とは、他人の依拠の前提を変える行為 です。
自分の作業空間で何を試しても自由です。候補は無料であり、統治の対象ではありません。しかし正規状態に触れた瞬間、その変更は後続全員の前提になります。だから統治は、生成ではなく昇格に置かれます。
正規状態を変える継続は、少なくとも次を満たさなければなりません。
- 何を変えるのかが特定されている。
- その変更が、誰の依拠に影響するかが見えている。
- 候補が比較され、採用理由が示されている。
- 証拠条件が満たされている。
- 権限条件が満たされている。権限の由来が引受点に遡れる。
- 残るリスクが明示され、受容されている。
- 復旧可能性、または戻せないことの受容が明示されている。
- 永続状態投影への反映形と無効化条件が定義されている。
評価なき統合の禁止との関係
Section titled “評価なき統合の禁止との関係”評価なき統合の禁止は、この原則の一部です。
コード統合では評価が不可欠ですが、PCE 3.0 では統合以外にも正規状態を変える操作があります。したがって、上位原則は「統合」ではなく「正規変更」を対象にします。
典型的な違反
Section titled “典型的な違反”- テストが通っただけで判断記憶に昇格する。
- レビュー承認が古い対象に紐づいているのに統合する。
- 調査結果を反証なしで採用判断にする。
- AI が作った運用知を由来なしで手順書に入れる。
- AI の要約を、根拠なしに記憶へ書き込む。
- 事故を閉じるが、残るリスクの引受者がいない。
これらは結果としては成功に見えても、PCE 3.0 では根拠のない正規変更です。後続は汚染された前提に依拠することになります。